お腹を満たすだけでなく、心まで満たしてくれるお店って、なかなかない。
いつだって僕らcreepsの空腹と心を満たしてくれた「ラーメン華心」が、2025年6月いっぱいで閉店した。
僕(ベース成田)は個人的に25年間、リーダー竹内は30年間お世話になってきた、数少ない「居場所」だった。
昭和のムービースターと言われても信じてしまいそうな、クールな風貌のマスター。
寡黙でシャイで、少ない会話はいつだって小声で。
担々麺とチャーハンセット、スタミナご飯、鶏肉炒め、ナスと肉の醤油炒め。
絶品ギョーザとシューマイ、学生に人気の油淋鶏と唐揚げ。
定食のご飯は岩木山のように山盛りで、付け合わせの豚骨スープはビギナーにはなかなかのインパクト。
値段設定はきっと昭和後期のそのままで、店内はいつも大学生や部活帰りのスポーツマンで賑わってた。
中国人の留学生だってたくさんいたよ。
いつまでも続くと思っていたそんな風景に、まさかこんなに早く終わりが来るなんて。
あの頃の仲間たちとビールとギョーザ。
デートだって気の利いたイタリアンよりも、いつも自分は華心だったよ。
バンドのことをいつも優しく受け入れてくれたマスターには、リリースしたCDをプレゼントしたことも。
スペシャルサンクス欄にはもちろん「ラーメン華心」の名前。
マスターは照れくさそうに受け取って、「ありがとう、でも再生する機械持ってない」って。みんなで大笑いしたっけな。
美味しい時間、数え切れない思い出。
閉店当日、6月30日。
店内に掲げられたメッセージには、こう書かれていた。
「これからの皆さまの毎日が心豊かに、華やかに彩られますように。」
これって、僕らcreepsが音楽に乗せている想いと同じだなって。
少し大袈裟かもしれないけれど、大好きな華心に育ててもらった僕らも、きっと同じ想いで、これからも音楽を演奏し続けていくよ。
僕らの心に咲き誇るその華たちを、いつまでも枯らすことのないように。
ありがとう、華心。
creeps 成田翔一



